楽しいことを入り口にすることの大切さ

長男は、字の読み書きが大嫌いで、全く本を読みませんでした。夏休みに「10冊以上本を読む」などの読書の宿題が出ると、毎年苦労していました。こんなに面白い話なのに、なんで読まないんだろうって不思議に思うこともしばしば。でも、それは、私の好みと長男の好みが違うだけなんですよね。とにかく、本を読んでくれないとボキャブラリーが不足するんじゃないかと思い、長男の好きそうな本探しが始まりました。

 

1~2年生のころ

読書10冊以上という夏休みの宿題が出て、(私が)大慌て。図書館から絵本を借りてきて、10冊何とかクリアしてました。絵本なんて文字も少ないし、読めるんじゃないかと思っていたのですが、甘かった。ちょっと読んで面白くないと、なかなか読んでくれませんでした。読んでくれたのは、宮西達也さんの「ふしぎなおみせやさん」シリーズ。最初は「ふしぎなタネやさん」だったかな。他には、言葉遊びの本。特に回文みたいなものが好きなので、「さかさことばで うんどうかい」や、またまた宮西達也さんの「サカサかぞくのだんながなんだ」のシリーズとか。宮西達也さんの本は、本人も学校の図書館から、借りてきて読んでいましたね。宮西達也さん、ありがとう!

 

3~4年生のころ

さすがに、絵本という年齢は過ぎたかな、と思っていました。この時にお世話になったのは、「かいけつゾロリ」シリーズです。学童で出会ったようです。ゾロリシリーズは100冊以上ありますし、図書館に行けば必ずあるので、助かりました~。そして、もう一つお世話になったのが、「おしりたんてい」シリーズです。少し長めの話も読めるのね、と嬉しくなりました。原ゆたかさん、トロルさん、ありがとう!

でも、この2シリーズ以外にもいろいろ面白い本があるんだけどな、とも思っていたのですが、なかなか先に進めませんでした。そして、4年生になると、夏休みの宿題が読書ではなく、読書感想文になったんです。さすがに、かいけつゾロリシリーズでは書きにくい。4年生の読書感想文としてはどうかなぁ、と思いつつも、おしりたんていの本で書きました。

そして、この時期、一つの発見がありました。それまで、字が少しでも小さいと、読む気力がなくなっていたのです。それで、なるべく、ゾロリシリーズと同じくらいの文字サイズを基準にハードカバーの本を選んでいました。文庫本は到底無理と思いこんでいました。ある日、ブックオフ「かいけつゾロリのまほうつかいのでし/大かいぞく ゾロリ2 in 1」という文庫本をを発見。文庫本だけど、1冊で2話なんてお得だし、何しろブックオフ価格で安いので、読めなくてもいいか、と購入。本人に渡してみると、予想外にあっさり読了。なんだ、文字が小さくても面白ければ、読めるんだ。目から鱗

 

5年生

ゾロリ 2in1シリーズで、面白ければ文字サイズが小さくても、読書できることが分かったので、「かいけつゾロリ」シリーズの次の本探しが始まりました。シリーズものにしたい理由は、「このシリーズは楽しい」というのが分かれば、次の本にも手を出しやすいと思ったからです。それに、私の本探しも楽できますし。

かいけつゾロリの次の本を探す人って、たくさんいるんですよね。シリーズものを中心にネットで調べると、いろいろ面白そうなシリーズ本の紹介があります。「都会のトム&ソーヤ」シリーズとか、「マジックツリーハウス」シリーズとか、「暗号クラブ」シリーズとか。息子は算数好きなので、もしかして暗号とかだったら、楽しめるかなぁと思い、「暗号クラブ」を1冊購入し、一緒に読み始めました。でも、暗号部分も期待ほど興味を持たず、また翻訳本で主人公の世界になじめなかった感じもあり、1冊目を読了することなく、断念(涙)。

ある程度の長さのストーリーになると、冒頭に背景・人物説明があるか、いきなり事件的なことが始まって後からその説明が来るかだと思います。冒頭の背景・人物説明の前置きが面白くないと、本題にたどり着く前に離れてしまいます。でも、いきなり事件的なことが始まっちゃうと、「全然分からない、どういうこと?」となってしまい、引き込まれることなく、やっぱり投げ出しちゃうんです。

とにかく、最初から「楽しい」「面白い」って要素が必要で、すんなり入れる世界じゃないとダメなようです。探すべきは、前置きが短くて、算数的な要素が入っていて、最初の数ページから面白い、ことが出てくる本。できれば、シリーズもの。かなり難題。そんな時、本屋さんで見つけたのが向井湘吾さんの「トリプルゼロの算数事件簿」シリーズです。このシリーズは小学5年生が主人公で、数学の話がいろいろ出てきます。シリーズ最初のお話での数学はパラドックスパラドックスの説明と主人公紹介を兼ねて出てくるのが「ハゲ+1=ハゲ」というパラドックス。ハゲの人に1本だけ髪が生えてもハゲなんだから、「ハゲ+1=ハゲ」。これをいくら繰り返してもハゲのままだから、みんなハゲということ。これだったら、面白そうって興味をひいてくれるかな、と期待して、買ってみました。読む気がゼロの息子を、半ば強引に、一緒に読もうと誘って、交互に数行ずつ読み始めました。でも、あっという間に、一人でどんどん読み始め、とうとう、シリーズ5冊目に突入しています。本人にとって、楽しいって思える内容を含んだ本にようやくたどり着いたみたいです。向井湘吾さん、ありがとう。

 

読書は自分のペースで楽しんでいるようです。文庫本を読める自信がついたのか、ハリーポッターの本も読んでみたいようです。少しずつ読書の世界が広がってくれるといいなあと思っています。