家計簿継続のコツは、完璧主義を捨てること。

家計簿をつけている、あるいは、つけたことがあるという人は、約3割くらいだと、何かで読んだことがあります。家計簿ってつけなくても、普段は、それほど困りません。ただ、家計を見直したいという直近の話だけでなく、将来に渡るお金のシミュレーションをするときにも、重要な情報になります。


将来に渡るお金のシミュレーション(お金のライフプラン)は、FP(フィナンシャルプランナー)の方に頼むこともできますが、自分でも作成することもできます。ネットで探すといろいろと便利なツールが無料で手に入ります。簡易的なシミュレーションツールとしては、日本FP協会にはライフプラン診断のページが、金融庁にはライフプランシミュレーションのページがあります。もう少し詳細に自分でシミュレーションをしたい場合には、FP協会の「便利ツールで家計をチェック」というページExcelのフォーマットがいろいろと公開されています。

 

お金のライフプランを作成してもらう場合も、自分で作成する場合も、現在の資産や生活費などは自ら情報をインプットする必要があります。たとえば、上述の金融庁のライフプランシミュレーションのページは、かなり大雑把なシミュレーションなのですが、それでも、次のような設問があります。

  • ご夫婦の年齢と子供の年齢(子供の年齢はきかれません)
  • 職業と退職金の有無
  • 世帯年収
  • 1か月あたりの生活費
  • 住まいにかかる費用(月額)
  • 貯蓄額

現在の資産は、預貯金、保険など割と集めやすい情報だと思います。世帯年収も会社員であれば、年初にもらう源泉徴収票に1年間の給与所得が記載されていますし、投資などで給与以外の収入があれば、1年分くらいは遡って計算できそうです。いずれも何か記録があるから手に入る情報です。

ただ、1か月あたりの生活費は家計簿をつけるなどして、普段から記録していないと、なかなか入手困難な情報です。お金の出口って、口座引き落とし、クレジット決済、電子決済、現金払いなど、たくさんありますし、共働きで各自の支出をそれぞれで管理していると、世帯でのお金の出入り口すべてを把握するのは大変ですよね。

 

我が家も共働きで、それぞれの収入は各自管理しており、すべての入出金を把握するのが困難です。


私は自分管理のお金の入出金は、スプレッドシートに手作業で記録しています。いわゆる家計簿ですね。ただ、この手作業って面倒で、普通は続かないと思います。

 

夫は、手入力でマメに入出金の記録なんて無理です。それでも、私としては夫側の(特に)出金を知りたいので、家計簿アプリに再挑戦してもらっています。再挑戦というのは、数年前にも一度使っていたのですが、挫折しています。で、今回、何が挫折の原因か探ってみました。

 

家計簿アプリもいろいろとありますし、無料で使用可能なサービス範囲でも十分足りる場合も多々あるように思います。また、お金の出口の金融サービス(銀行口座やクレジットカード、電子マネーなど)との連携ができ、複数あるお金の出口を一元管理できたり、レシートの写真から自動で支払額をアプリに取り込んだり、取り込んだ出金を分類してくれたり、煩わしい手入力を省く便利な機能がたくさんあります。

 

夫が試したアプリは、ZaimDr.Walletマネーフォワードの3種類のようです。Zaimに関する感想はほとんどなかったので、あまり使っていないのかな?

 

Dr.Walletの強みは、オペレーターによるレシートの入力サービスです。高コストなサービスだと思うのですが、無料枠でもある程度の枚数は対応してくれるそうです。夫は、このレシート入力サービスに期待して使っていたようです。レシートの読み取り機能を持つ家計簿アプリはいくつかありますが、数字の読み取りはできても、費目への分類ができない、または正しくないことが少なくないと思います。レシートの書き方って、店舗ごとにまちまちですし、内税だったり、外税だったり、商品名も書かれなかったり、書かれていても、最初の数文字だけだったり、変な省略になっていたり…。その点、Dr.Walletのオペレータによるレシート入力サービスはほぼ間違うことがないので、現金を使う機会が多い人には大きいメリットです。ただ、Dr.Walletは金融サービス連携力が弱いため、Dr.Walletの継続使用にはならなかったようです。

 

結局、マネーフォワードに落ち着きました。マネーフォワードの強みは、金融サービスとの連携力です。21年10月現在、HPによれば、登録可能なサービス数が2,594となっています。無料で連携できるのは、このうち10サービスまでです。今回は月々の出金が分かればよいので、お金の出入りが激しい口座やクレジットカードだけ登録すれば十分。そのため、無料枠の10サービスは何ら問題になりません。ただ、マネーフォワードも完ぺきとはいきません。レシート入力はやはり未分類となってしまうこともあるようです。また、登録した金融サービスから情報を吸い上げて分類してくれるのですが、タイミングのせいなのか、毎月引き落とされているはずの金額が表れてこなかったり、吸い上げた金額の分類が想定しているものと違ったり、未分類になったりします。人間でも分類に困るような商品・サービスってありますから、仕方ないと思います。ただ、夫は、未分類の出金に対し、これまでの履歴を遡って同じような出金を探し、同じ費目に修正する、ということまでしていたようです。省力化のために導入したはずの家計簿アプリなのに、費目の修正にそんな労力をかけていては、続きませんね。

 

家計簿継続のためには、完璧主義をやめましょう。

 

と夫にはアドバイスしています。家計簿アプリを使ってもらうのは、出金が把握したいからです。費目分類の正確さも、1円単位まで合わせる必要性もないと思っています。そのため、費目の間違いは目をつぶるくらいのおおらかさで継続するように、アドバイスしています。未分類も、雑費として処理しても良いし、その場で判断して分類すれば過去と違ってもかまいません。あきらかな間違いは、私の入出金記録と合算する際に修正すればすむことなので、とにかく、記録を継続してもらうことにしています。

 

家計簿をつける目的によって、どこまでの間違いを許すかの線引きが変わってきます。もし、ある特定の費目の出費を抑えたいというのであれば、その費目に関しては自動入力の間違いを訂正する必要があるでしょう。でも、それ以外については、労力をかけて訂正する必要はないかなぁと思っています。まずは、1か月の生活費が見積もれればいいのですから。

 

年初に「今年こそは家計簿をつけるぞ」と思う方は、是非、完璧主義は捨てて、トライすることをお勧めします。自分が家計簿をつける目的が何なのかはっきりしていれば、ある程度の間違いは許容できると思います。